有酸素運動と心拍数の関係性と効果的な脂肪燃焼のポイント

自転車やランニング、水泳など有酸素運動と呼ばれるものは沢山あります。どの運動も脂肪をエネルギー源とする有酸素運動として効果的なのですが、漠然とやっていると運動強度はどんどん下がってしまい、消費カロリーが少なくなってしまいます。そこで、今回は脂肪を燃焼させるために有酸素運動をより効果的に行うためのポイントを

  • 有酸素運動とは?
  • 脂肪燃焼率の高い心拍数の計算方法
  • 20分以上を目標に!小分けにしても効果あり!
  • 週3回を目標に有酸素運動を取り入れる

有酸素運動とは?

有酸素運動とは、酸素を消費し充分な呼吸を確保しながら行う運動です。有酸素運動は脂肪をエネルギー源とする運動と言われています。運動を続けると、筋肉には疲労物質である乳酸が溜まってきます。そこで呼吸で取り入れた酸素と血液中の脂肪と乳酸が合成されると、乳酸が取り除かれ再度筋肉を動かすエネルギーとなり運動が続けれます。乳酸を除去し再エネルギー化するために脂肪が燃焼されるのです。

運動強度は高ければ高いほど良いわけではありません。強度が高く、きつ過ぎる運動だと呼吸が続けられなくなり乳酸がエネルギー源として再合成されるより先に回復能力が追いつかない状態となり、筋肉が乳酸でいっぱいになり動かせなくなってしまうからです。

反対に運動強度が低い、楽な運動では酸素を多く血中に取り込めないため、乳酸は生成されず、酸素を体に取り込む量も少ないため脂肪が効率よく燃焼しません。効率よく脂肪を燃焼させるには適度な運動強度で行うことが必要なのです。

脂肪燃焼率の高い心拍数の計算方法

■脂肪が効率よく燃焼する心拍数は最大心拍数の60%~80%

適切な運動強度を知るためには心拍数を活用します。心拍数は運動の強度に対応して上昇していくので心拍数が一定=運動強度が一定という事になります。より効果的に有酸素運動を行うには、物理的要素であるスピードやピッチよりも、生理的要素である心拍数で強度を一定の割合でコントロールしていく方が体力に差がある場合でも適切な運動強度を保つ事ができるので効果的です。

その時に脂肪が効率よく燃焼するターゲット心拍数(目標心拍数)は最大心拍数の60%~80%。体力に不安がある方は60%、普通の体力だと思われる方は70%。体力に自信がある方は80%の運動強度といったように自分にあった強度で行なってください。

■最大心拍数の求め方

運動負荷を徐々に上げていき、もうこれ以上がんばれない時の心拍数が最大心拍数(Maximum Heart Rate)です。正確にはランニングマシンなどでこれ以上は運動を続けられないオールアウトまで追い込んで、最大心拍数を求めるのですが、なかなかこのような測定をする機会はありません。実測以外でも次のような計算から、最大心拍数を大雑把に推定することができるので、一般的にはこの方法で最大心拍数を求めます。

最大心拍数=220-(年齢)

これに先程説明した脂肪を効率よく燃焼するための割合をかけて目標心拍数を設定します。まとまると次の式になります

最大心拍数×(運動強度60%~80%)=脂肪燃焼効率が高い心拍数

35歳の男性が運動強度の60%~70%で運動を行う場合は、

  • 最大心拍数 220-35=185
  • 脂肪燃焼効率が高い心拍数 185×0.6=111~185×0.8=148

となり、111〜148の間での有酸素が効果的になります。

20分以上を目標に!小分けにしても効果あり!

目的が脂肪を燃焼させることを目的とする場合は、連続して20分以上を目標に運動します。20分以上行えば乳酸を再エネルギー化するための脂肪が血液中に送り込まれ、脂肪がエネルギー源として使われ始めます。

運動している時間が長ければ長いほど、消費カロリーが増える=脂肪が燃焼するので、時間が取れる人は1時間以上続けてもいいのですが、無理は禁物です。はりきって長時間やって、しばらくお休みというより、毎日少なくても、一定時間を地道に行うことが大切です。

連続で10分程度の有酸素運動が効果を得られる最低ラインといわれています。ですから忙しくて時間のない人は、1日10分でも有酸素運動をしておけば、最低限の運動はしていることになります。このような日はいつもより10分、通勤時に遠回りして歩いくと無理なく運動が続けられます。

最近の研究では、10分の有酸素運動を1日のうちで2回行っても、連続で20分運動したのと同様の効果があるとされています。忙しい方にはまとめてやるより、このような方法で運動を続ける方が適しているのかもしれません。

3回以上を目標に有酸素運動を取り入れる

有酸素運動は週に3日でも充分効果があると言われています。もちろん、それ以上行うのも構いません。ただし注意して頂きたいのは、1時間の有酸素運動を「週に1日」まとめて行うよりも、たとえば月・水・金など、1日20分の有酸素運動を「週3日」に分けて行う方が効果的です。

分散して行う事により、前回の運動の効果が薄れる前に次の運動が行えるため、運動効果を積み上げていくことができるからです。こうする事で体脂肪燃焼はもちろんのこと、心肺機能も効率よく鍛えられます。

いままで運動してこなかった人が突然有酸素運動を始めた場合、筋肉痛になる場合があります。そのときは筋肉痛が取れるまで休みましょう。運動の強度が強すぎたり、速すぎたり、時間が長すぎることが原因なので、調節する必要があります。また、極度に疲れていたり、睡眠不足のときも無理に運動せずに、ゆっくりと休みましょう。週に1日でも充分効果があると思えば1日休んでも十分に挽回できるので安心してください。

どのような種類のエクササイズも一番大切なのは長続きさせること。どんなエクササイズであれ長続きさせられれば効果も自然と現れてきます。それに、効率よく行い脂肪の燃焼が促され体型が変わればさらに運動が楽しくなってくるはず。有酸素運動の強度や時間、頻度を見直して体脂肪を思いっきり燃焼させましょう!

この記事を書いた人

石井輝

2014年 – 2019年
アメリカに留学し、運動力学の本質を学ぶ

2019年 – 2023年
名古屋のストレッチ専門店にてトレーナーとして勤務

トレーニングでの知識の幅をさらに広げたいと思い、プロアスリートの
身体のメンテナンスにも取り組んでいるGsトレーニングラボに転職