ケトジェニックダイエットって何?

こんにちは!

Gsトレーニングラボ豊橋店の石井です。

今回はケト(ケトジェニックダイエット)についてです。

初めにダイエットを始めようとした方達が初めにぶつかる壁があると思います。

その一つが食事です。糖質制限、摂取カロリー制限、ファスティング、ケトといろいろある中でみなさんケトと言われ何を連想しますか?

実際にケトとは一部のアスリートや一般の人たちの間にも減量のために取り入れている人もいるかと思います。

今回はそんなケトについて3つのポイントに分けてお伝えしたいと思います。

  • ケトジェニックダイエットと糖質制限の違いと特徴
  • MCTオイルの効果
  • ケトジェニックダイエットの効果と注意点

ケトジェニックダイエットと糖質制限の違い

ケトジェニックダイエットと糖質制限の一番大きな違いは、「糖質の摂取量」です。

ケトジェニックダイエットは、糖質制限よりも一段と糖質を厳しく制限しなくてはなりません。

■ケトジェニックダイエット:早く痩せたい、または持久力系の運動パフォーマンスを上げたい人向け

→1日の糖質摂取量が20g~50g未満、もしくはエネルギー摂取量の5%未満。

PFC比=20~25%:70~75%:5% 1

ポイントは、「糖質量をできるだけ減らす」「脂質量を増やす」ことです。

■糖質制限:健康の増進や食生活を改善したい人、厳しい食事制限をしたくない人向け。

→1日の糖質摂取量が70~140g。複数の方法があります。

一例)PFC比=25%:50%:25%

ポイントは「糖質量は目的によって調整する」「脂質量はカロリー不足を補う量を摂る」ことです。

  1. PFC比とはProtein:タンパク質、fat:脂質、carbohydrates:炭水化物(糖質)の摂取 ↩︎

■ケトジェニックダイエット

最大の特徴は、ケトン体を作り、エネルギーとして利用できるようになることです。そのために最も重要なのが、「糖質を極力減らす」ことと、「脂質を多く摂る」こと。

糖質をエネルギーとして使えなくなると、体は脂質をエネルギー源として使うようになり、体脂肪に含まれる中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解してエネルギー源として使い始めます。この脂肪酸の一部が肝臓でケトン体になり、心臓、筋肉、さらに脳などの重要な臓器でエネルギーとして利用されます。ケトン体をエネルギーとして利用できるようになると、体脂肪が燃焼されやすくなります。

ケトジェニックダイエットは、糖質量を極力減らさなくてはならないため、果物、根菜類、調味料も制限されます。食べられる食品が限られるため、食事の用意や外食の際は工夫が必要です。また脂質を大量に摂るので、胃腸が弱い人には向いていません。

■糖質制限

血糖値の変動をコントロールすることで、インスリンの分泌を抑え、体脂肪の蓄積を予防することができます。制限の緩やかなものから、厳しいものまで複数の方法があり、目的に応じて使い分けることができます。糖質制限ではケトン体を作る必要はありません。緩やかな糖質制限は続けやすく、体重のコントロールにも効果的です。

MCTオイルの効果

ケトン体は体脂肪だけでなく、食事で摂取した脂質からも作ることができます。体脂肪からケトン体を生成するには、脂肪細胞で中性脂肪がグリセロールと脂肪酸に分解された後、肝臓まで運ばれる過程が必要です。しかし、中鎖脂肪酸であるMCTオイルは、腸から直接肝臓に取り込まれるので、非常に効率よくケトン体を作り出すことができます。特にケトジェニックダイエットを取り入れて初期の頃は、ケトン体をスムーズに生成できないため、MCTオイルを摂って生成を促すと良いでしょう。

ケトジェニックダイエットの効果と注意点

ケトジェニックダイエットによってケトン体をエネルギー源として利用できるようになると、次のような効果があることが分かっています。

(1)減量しやすい

脂質は消化に時間がかかるため、お腹が空きにくくカロリー摂取量が減少します。また、脂質を摂った時に分泌される消化管ホルモンが食欲を抑えてくれます。

(2)効率の良いエネルギー基質であるケトン体を利用できるようになる

ケトン体は脂肪酸より素早くエネルギーとして利用できます。

(3)活性酸素の発生が少なく、抗酸化酵素の発現も高まるケトン体をエネルギーとして利用すると、筋へのダメージが少なく、回復が早いことが分かっています。

(4)糖質の利用を節約できるので、長時間運動時のエネルギー補給が少なくて済む

運動中や運動前にエネルギー補給をする回数が減るため、腹痛や胃の不快感を予防することができます。

一方で、次のような注意点があることも理解しておきましょう。

(1)長期にわたる継続摂取が難しい

脂質の多い食事のため、血中脂質濃度が高くなり、動脈硬化のリスクが高まる可能性があります。

(2)適応するまでに長期間を要する

ケトン体を産生できても、エネルギー源として利用できるようになるまで、少なくとも数週間~数か月は必要だと言われています。とくに摂取開始から数週間の間は、むしろ疲れやすくなります(その後適応していきます)。このような症状が強く見られた場合は、すぐに中止しましょう。

(3)糖代謝(解糖系)が抑制され高強度運動が行えなくなる糖質をエネルギー源として利用できないため、大きな力が発揮できなくなります。特に高強度運動では、パフォーマンスが低下することが分かっています。(参考:寺田新編著:『スポーツ栄養学 最新理論』:林社P78~87 2020)

ケトジェニックダイエットは、人間が持つ、代謝を適応させる力を生かして、減量や運動パフォーマンスを向上させることができる食事です。一方で、まだ研究中のことも多く、長期的な摂取による身体への影響も分かっていません。安易に行うと、体調を崩す恐れがあることを、トレーナーの皆さんは理解しておいてください。

糖尿病を含む持病がある、もしくは妊娠中や授乳中など、クライアントがケトジェニックダイエットを取り入れたいと望む場合は、必ずかかりつけ医に相談するよう勧めるようにしましょう。

Keto diet concept. Balanced low-carb food background. Vegetables, fish, meat, cheese, nuts on a dark background.

最後にPFC比について簡単にお伝えさせていただきます。いま自分がどういった状態でどれぐらいの比率でカロリーを摂取すればいいかわからない方もいるかと思います。そいいった方でも簡単な入力をするだけですぐにわかるようなサイトも今では多くあります。

その中の一つとしてリンクを貼っておくのでご自身で調べてみてください!

また、次回以降でカロリー計算についてもブログを書いて行こうと思いますのでよろしくお願いします。

僕たちのジムでは栄養指導等はコースに含まれておりませんが、ストレッチ受けながらでも相談いただけたらお答えできますのでぜひ一度お越しください。

この記事を書いた人

石井輝

2014年 – 2019年
アメリカに留学し、運動力学の本質を学ぶ

2019年 – 2023年
名古屋のストレッチ専門店にてトレーナーとして勤務

トレーニングでの知識の幅をさらに広げたいと思い、プロアスリートの
身体のメンテナンスにも取り組んでいるGsトレーニングラボに転職